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やこうれっしゃ





1年半ほど前、東京・九州間のブルートレーン(以下ブルトレ)が廃止になった。
多くのファンに惜しまれつつの廃止だ。
その夜、テレビで廃止されたブルトレのドキュメンタリーを見た。
そこにはブルトレとの別れを惜しむ人たちがたくさん映し出されていた。
年老いた父親と旅する人。
小さい子供を連れてふるさとへ帰省する人。
その昔、新しい人生の出発の時に利用し、そのことを懐かしむ人。
そんな人たちの光景を見ていると自然とあの絵本を思い出し開いてみた。
「やこうれっしゃ」だ。
この本は約30年前に刊行された絵本だ。
泣いて眠れない子供をあやす母親。
それを心配そうに見守る車掌。
たまたま隣合った人と気さくに話しする人たち。
夜の停車駅で弁当を買いに走る風景。
絵本の中にはテレビと同じ光景が描かれていた。
今のブルトレに30年前の風景とそれほど変わっていない風景があるのに驚く。

すべてが早いスピードで駆け抜けていく今の時代。
いつも早く、早く目的を達成しなければいけないような感じがつきまとう。
しかし、それではいつか人の心は凝り固まってしまうだろう。
人の心は時々、やわらかく揉みほぐしてあげないといけないはずだ。
人は心にやわらかい部分がなければ、やさしくなれない。

ブルトレには人の心をやわらかくしてくれるものがあるような気がする。
テレビに映る乗客の顔を見ていて感じたことだ。
ブルトレこそ今の私たちに必要なものではないだろうか。

ブルトレは実質的に乗るのが難しくなってしまった。
だから、時々「やこうれっしゃ」を開いてブルトレの旅に出よう。
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